きみの色


ただ、絵を描くのが好きだった小さい女の子が
夢を叶えるためには、ありえない努力が必要なのだと、父によく言われたから。


誰よりも早く、誰よりも多く。

私は手を動かし続ければいけない。


そうすれば、いつかきっと素晴らしい人間になれるよ。
と父は私に言い続けた。



素晴らしい人間。



なりたいのかもわからない中、私は必死にそれを追いかけた。



そしていま、私は何者にもなれずにいる。





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