パーフェクトブルー -甘くて眩しいきみの色-
「今日はもう家に帰るのか?」
「うん、今日は家でやらなきゃいけないことがあって」
「夜、アンタの家に行っていい?」
「うちに…?いいけど…知っての通り狭いよ」
柳の家で彼ら家族と過ごした日々と比べると、明らかに生活の質違う。
狭い部屋に、薄暗い灯り。
テレビもないし。
柳の家での生活が楽しくて、心地良すぎて、自分の家に帰ってからは静かすぎる自分の家が嫌だった。
「アンタといたい」
群青色。
柳の瞳が私を見つめる。
その美しい顔で向けられる直球どストレートの言葉の破壊力たるや。
向かう時連絡すると、赤い顔の私を見て笑った柳は、ぽんと頭の上に手のひらを乗せてから校舎に戻って行った。
ああ、まったく
こんな一挙手一投足で彼に踊らされていては心臓がいくつあっても足りない。
そしえてその夜、
柳は言葉通り、私の家を訪れた。
なんだか本当に2人きりになったのは久しぶりな気がする。
いつもより鼓動が少し早いのは、きっとそのせいだ。
柳は制服ではなく、柔らかそうな無地のTシャツに濃いネイビー色のデニムパンツを履いていた。
シンプルな服装なのに、彼のスタイルが良すぎて高級品に見えてしまう。
いや、もしかしたら高級品なのかも。