パーフェクトブルー -甘くて眩しいきみの色-
光と影にひそむもの






待ち合わせの場所は、柳の家ではなく
別の家の前だった。


指定された待ち合わせ場所に少し早く着いた私の目の前には、大きな家。



柳の家も立派だったが、さらに古風で厳かな雰囲気のある家だ。


門の前で私は柳のおばあちゃんをが来るのを待つ。


見ると、開札には「二階堂」とかかれている。



「お待たせしてしまって申し訳ないわ」と、タクシーから降りたおばあちゃんがやってきた。


良かった。

まさかこの暑さの中歩いてきてるわけないよね?と少し心配していたところでの登場で、私は少しホッとする。



「行きましょうか」とおばあちゃんが門の中へ進んでいく。


敷地内には庭のようなものがあり、小さな池まであった。



おばあちゃんがインターホンを押し、引き戸を軽く叩く。



「二階堂先生ー、垣原です。」



垣原とは、柳のおばあちゃんの苗字だ。 

おばあちゃんは柳の離婚した母方の祖母のようで、柳の母の旧姓、垣原(かきはら)を名乗っている。



しばらくすると、家の奥から声がして
私たちの前に現れたのはとても優しそうなおじいちゃんだった。


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