パーフェクトブルー -甘くて眩しいきみの色-
光と影にひそむもの
▽
待ち合わせの場所は、柳の家ではなく
別の家の前だった。
指定された待ち合わせ場所に少し早く着いた私の目の前には、大きな家。
柳の家も立派だったが、さらに古風で厳かな雰囲気のある家だ。
門の前で私は柳のおばあちゃんをが来るのを待つ。
見ると、開札には「二階堂」とかかれている。
「お待たせしてしまって申し訳ないわ」と、タクシーから降りたおばあちゃんがやってきた。
良かった。
まさかこの暑さの中歩いてきてるわけないよね?と少し心配していたところでの登場で、私は少しホッとする。
「行きましょうか」とおばあちゃんが門の中へ進んでいく。
敷地内には庭のようなものがあり、小さな池まであった。
おばあちゃんがインターホンを押し、引き戸を軽く叩く。
「二階堂先生ー、垣原です。」
垣原とは、柳のおばあちゃんの苗字だ。
おばあちゃんは柳の離婚した母方の祖母のようで、柳の母の旧姓、垣原(かきはら)を名乗っている。
しばらくすると、家の奥から声がして
私たちの前に現れたのはとても優しそうなおじいちゃんだった。