きみの色
「まずは、海。BBQ。…ハイ、あさひ」と由井くんがあさひくんを指さす。
「えー、明日は晴れみたいッスね」と、まだ名前しか呼ばれていないのに天気予報を答えるあさひくん。
「よっし。葉月チャンのこの夏楽しもうキャンペーンスタート。明日、海、行くぞ!」
目の前でどんどん話が進んでいく。
柳が、やれやれといった様子でため息をもらした。
「え、あたしも行っていい?良いわよね?はい、決定」
接客が落ち着いた蘭子さんが、カウンターから口を出す。
「は?ねーちゃん店は」
「残念、明日はなんと定休日です」
ニヤリと笑ってウインクした蘭子さんに、由井くんはうげっと唸った。
「食べ物は朝買うとして、パラソル、うきわは確か実家にあるし…」と、蘭子さんが指折りながら必要なものを口にしていく。
そして、口角を上げてこう言った。
「葉月ちゃん、水着 持ってる?」