パーフェクトブルー -甘くて眩しいきみの色-
まだ眉根を寄せたまま、小さな声で私の名前を呼んで、その手で顔を引き寄せキスをした。
私は彼のことが好きで好きでどうしようもない。
雨で冷えた彼の体に隙間なく体を寄せ、私は彼の体がはやくあたたまる事を願う。
次第に触れた唇が熱を帯び、強引に私をこじ開けていく。
唇の隙間から漏れる吐息が小さなユニットバスに落ちた。
ひとつ一つ確認でもするように、私たちはお互いの気持ちをさらに強める。
「…っは、」
彼の体に寄りかかるようにして体を預ければ、彼は自由な手でしっかりと私のことを支えてくれた。
鼻先をつけたまま、ほんの数センチ先に彼の瞳がある。
「…やめるか?」
彼は掠れ声で私に尋ねた。
私はゆっくりと首を振る。
「ううん。やめないで…」
答えを聞いた柳は、長いまつ毛を伏せてまた私に唇を寄せた。
彼の首に腕を回すと、柳はそのまま片手で私のことを抱き上げて薄暗い部屋を移動し、しわくちゃなシーツのままのベットに私をおろす。
片手が使えないのになんて器用なんだろうと、ちょっと感心する。
どさりとベットに体をおろすと、スプリングがおおげさに音を立てた。
お互いを見つめ、いつのまにか熱を持った肌を寄せる。
雨の音だけが聞こえてくる部屋の中。
私の意識と体は、柳と共にその安っぽいベットへと沈んでいった。