パーフェクトブルー -甘くて眩しいきみの色-
どういこと?と聞き返そうとしたところで、店にあった振り子時計が16時を知らせるチャイムを鳴らした。
うわ、やばい。遅刻する。
「ごめん、もう行かないと。…すみません。失礼します」
後ろ髪を引かれる思いだったが、みんなに挨拶をして急いで店を出て、塾の教室に直行した。
彼らにろくな挨拶もせずに出てきてしまったけど大丈夫だったかな…
けれど、あそこに行けば彼に会えることがわかったし、また今度時間がある時に尋ねてみよう。
「珍しー、鷹宮が遅刻ギリギリなんて」
教室に入ると野田が私の場所を確保してくれていたのか、椅子をぽんぽんと叩いて呼んでくれる。
「席ありがとう」
「何、デート?」
走ったせいで息切れしてる私を見てニヤリと野田が笑ってからかってきた。
「違うよ、ちょっと用事」
「ふうん。なんかご機嫌じゃん」
鉛筆ケースを取り出しながら野田を睨みつける。
そして丁度いいところで担任がやってきて、授業を始めてくれたのでそれ以上野田のだる絡みを受けることはなかった。