きみの色
「葉月ちゃんは、いくつなの?」
「18です」
「ふうん。じゃあ京介と同い年だ」
蘭子さんが京介と、呼んだ彼は
柳田いつも一緒にいる茶髪の長い髪を後ろで結んでいる彼だった。
カウンターに座っている私の存在に気づいた柳以外の2人が、こちらに駆け寄ってくる。
「こっちが、由井 京介(ゆい きょうすけ)私の弟」
蘭子さんが丁寧に紹介してくれる。
兄弟だったんだ…
言われてみれば、確かに2人には共通点が多かった。
2人とも背が高いし、高くて筋の通った鼻やキリッとした眉毛など、どこか似ている。
「どうも」と、由井くんが頭を下げる。
笑った顔もそっくりだ。
「それでこっちが…ーー
「猿川(さるかわ) あさひです!柳さんと由井さんの後輩やらせてもらってます!」
蘭子さんが紹介するよりも早く、赤髪の子が手を挙げた。
キラキラとした目でこちらを見て来る姿は、やはりどこか小型犬のような印象だ。
「よろしくな」
「よろしくお願いします!」
と、2人に握手される。
「よろしく…鷹宮葉月です」
あさひくんの元気さに圧倒されながら自己紹介を終えてから、私は彼らに頭を下げた。
「ふたりとも、昨日はどうもありがとう」
改めてお礼を伝えると「そんなそんな…!頭あげてください」とあさひくんが申し訳なさそうにする。
2人が後からやってきたおかげで、あの時柳の動きが止まった。
それに、彼らがその後のことを何から何までフォローしてくれていた。