きみの色
柳に取られた手を振り払えずに、私は赤く固まったまま。
「…おばあちゃんが…いる、からっ」
ダメだよと、その後に続く4文字が言えない。
パクパクと次の言葉を言おうとするさまは酸欠になった魚みたいだ。
恥ずかしい。
顔を伏せても、柳が私のことを見ているのがわかる。
「平気だ。2階には俺たち2人しかいない」
「でも…」と続けた私の顔に、柳の手が触れた。
大きな手が首の後ろの方を支え、私の体はもう自分の意思じゃ動けなくなる。
「どうして?俺はもっとアンタに触れたい」
だめだ。
柳の真っ直ぐな視線から逃れられない。
彼がゆっくりと近づいてきて、私の唇に触れた。
何度か確かめるようにキスすると、ペロリと唇の端を舐められる。
びっくりして体を離すと、柳は楽しそうに目を細めている。
そしてまた私の唇を奪うと、今度は無理やり口をこじ開けてきた。
ちょっと乱暴なそれに驚いたが、またすぐ別の感覚が私の体を支配する。
「…ん!」
柳の舌が口内で私の舌を弄んでいる。
私は応えるのに精一杯で、いつの間にか息の仕方を忘れていた。
酸欠で頭がクラクラする。