きみの色
「あとで柳さんも来ますよ!」
受付を終えた後、あさひくんが私に教えてくれた。
店長は阿久津沢の彼らに圧倒されたのか、たじたじだった。
柳には劣るが、彼らの容姿はそこら辺の男たちに比べるとずば抜けている。
店長のようなリアクションになるのは当たり前のことだ。
ぞろぞろと阿久津沢の彼らが部屋へと向かったほんの数分後に柳はやってきた。
柳を見た店長の頬が、いっきに桃色に染まるのを私は見逃さなかった。
わかる。
誰でもそうなる。
「由井くんたちならもう行ったよ。15番の部屋」
教えた柳がありがとう言いかけたところに、店長が「あの…」と女性らしい声を出す。
「鷹宮ちゃんの、彼氏…?」
私と柳を交互に見ながら問いかけてきた彼女に、私はすぐ返事をすることができない。
彼氏…
カレシ…
蘭子さんにも似たようなことを聞かれ戸惑ったばかりなのに。
何と言えばいいのだろう、と悩んでいたところに、柳がキッパリと「そうです」と言い切った。
「やだっ…鷹宮ちゃんてば、すご〜い。こんなカッコいい人彼氏だなんて…!」
やるわね、と肩を小突かれる。