パーフェクトブルー -甘くて眩しいきみの色-



彼が普通の人、いわゆる柳の周りを取り囲む同じような人達とは、違うということを私もよく分かっている。



他の人からは感じない、畏怖のようなものが
彼のまわりには常に存在している。



森田を殴っていた、柳の姿が脳裏に浮かぶ。


あの、誰も近寄ることができないオーラ。



「阿久津沢のキング。絶対的王」



由井くんが誇らしげに語ったその言葉は、まさしく彼にピッタリの言葉だった。



「ま、それに加えて、とんでもなく優しくて良い奴ってのが佐百合のポイント。だからみんなから支持されてる」



柳が優しいのは私が1番よく知ってる。


納得だった。

私も彼らと同じ立場なら、柳に従ってしまうだろう。



私はそのとてつもなく凄い人と日々を過ごしていたのか。



少しだけ、背中にじわりと汗が滲んだ。




「だから葉月ちゃんが初めて佐百合に会った時に貼ったっていう絆創膏?
あれがまぁーウケて」



それってもしかして…



「…ニコちゃんマークの?」



「そう。だってあの阿久津沢の白百合のでこに
ニコちゃんマークだぜ?」




「笑い堪えるのに必死だったわ」
と、由井さんは口元を抑えて、思い出し笑いを噛み締めている。


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