シリーズ全UP済。果物のように甘いだけじゃない

バスルームから二人で出ると、リビングのソファーに並んで座った。
大くんは、私の肩に手を回してきたから、素直に頭を預ける。大くんに触れられていると心地が良くて眠気が襲ってきて、あくびをしてしまった。
「明日も仕事だよね。寝ようか」
「うん」
立ち上がった大くんは私をひょいと持ち上げる。
「重いから下ろして」
「重くないよ」
お姫様抱っこしたままベッドルームまで連れて行かれた。
シンプルな部屋には大きなベッドがあって、そこに寝かされる。広いベッドなのにぴったりとくっついて離れない大くん。
スースーと大くんの寝息が聞こえてくると、ごちゃごちゃ物事を考えるのが、煩わしくなって、私も目を閉じた。そして、そのまま深い眠りに落ちた――。