シリーズ全UP済。果物のように甘いだけじゃない

歩きながらお母さんに電話をする。
「メリークリスマス、お母さん」
『なによ、改まって』
「年が明けたら大くんと挨拶に行っていいかな」
『ええ』
「どんなにバッシングされても彼と生きていくって決めたの」
『美羽がそう決めたなら、それでいい。しっかりと貫きなさい』
「うん」
電話を切って息を大きく吸い込んだ空気は、すごく冷たくて胸に染みこむ。
気持ちがシャキッとする。

大くんのマンションに向かって歩いていると、気配を感じて後ろを振り向いたけど誰もいない。
「気のせいだよね」

少し早歩きで歩いて行くが、この前も誰かに見られているような気がした。

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