シリーズ全UP済。果物のように甘いだけじゃない

「大くん、お帰り」
嬉しくて抱きつくと大くんも力いっぱい抱きしめてくれる。
「会いたかったよ。テレビ見てたよ」
「よしよし、美羽。いい子で。待ってたんだな」
「今日の大くんも素敵だったよ」
大くんの香りを胸いっぱいに吸い込んでハッピーを補充する。
大くんに抱きしめられるのが一番の幸せだ。
「美羽。俺も美羽に会いたくてたまらなかった」
「大くーんっ」
頬を胸にうずめる。


「おーい。いつまでいちゃついてんの?」
男性の声が聞こえてビクッとなる。
大くんから離れて大くんの後ろを見ると、黒柳さんと赤坂さんが立っていた。
「お邪魔します」
赤坂さんが甘ったるい笑顔を向けてくる。二人が来るなんて聞いてない。
「あまり邪魔はしないから。少しだけお話させてもらってもいいかな」
赤坂さんが言うと黒柳さんは「入るぞ」とズカズカ中まで入ってきた。
ソファーに座る黒柳さんと赤坂さん。
過去に会ったことがあるけど、二人ともオーラを放っている。
大くんが二人にコーヒーを出すと黒柳さんが口を開いた。
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