シリーズ全UP済。果物のように甘いだけじゃない

「料理が上手だったら手作りにしてあげたかったんだけど、ごめんね」
「美羽と過ごすことができればそれでいいんだよ」
大くんがニッコリと笑ってくれるから、ものすごく癒される。
「年末のテレビ出演が終わると少し落ち着くから、美羽の実家に挨拶に行きたいんだ」
「うん。わかった」
「緊張するけど……頑張るから」
「うん」
じっと見つめるとニッコリしてくれた。

立ち上がった大くんは寝室に向かって歩き出し、何かを手に持って戻ってきた。

「これ、クリスマスプレゼント」
「え……?」

どうぞと言って渡してくれたのは小さな四角い箱。
パカっと蓋を開けて中を見るとダイヤモンドがついたリングが入っていた。

「こんな高価な物……もらえないよ」
困った表情で大くんを見ると、大くんは王子様のように片足をついて跪く。そして真剣な表情で見つめられる。あまりにも熱い視線に頬が焦げそうになった。
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