シリーズ全UP済。果物のように甘いだけじゃない
それからも、なんとか出社は続けていたのだけど、社内では私が芸能人の子供を堕ろしたことがあると噂が流れていた。
堕ろしたんじゃないと否定したいのにできずに過ごしている。
しかも、相手が大くんだと気がつかれていたのだ。
勘の良い社員は私と大くんがリッチマンゴープリンのCMで一緒に仕事をしていたことと関連付けたり、COLORとの仕事の契約がダメになったことをその証拠だという人もいた。
社内にもCOLORのファンはいるようだし、社外に漏れるのも時間の問題かもしれない。
ランチを終えて部署に戻るとデスクにメモが置いてあった。
その内容を見て笑顔を消してしまう。『不潔女』と書かれていたのだ。
「美羽……大丈夫?」
千奈津が心配そうに覗きこんでくる。
笑顔を作れずに、固まってしまう。そこに杉野マネージャーが近づいてきた。手には手紙らしきものを持っている。
「総務に届いたんだと。総務のマネージャーが『これって噂になっている件じゃないの?』と言って渡してきたんだ」
中身を開いてみると物凄い誹謗中傷が書かれていた。
「お客様の問い合わせページなんて書き込みが今日で二十件だってよ」
もう、社外でも噂は広まっているのだ。
尾びれも背びれもつけた噂は、世間を飛び回っている。なんて恐ろしいことなの。
「初瀬……なんで黙ってんの?」
杉野マネージャーは責めているわけじゃなくて心配そうな表情をしている。千奈津もだ。
「あの。今日の夜、空いていますか?」
「ああ」
「千奈津も」
「うん」
「聞いてほしい話があります……」
もう千奈津と杉野マネージャーには、黙っておくことができない。
会社にまで迷惑をかけているのだから。仕事を終えた時伝えようと決意をした。
堕ろしたんじゃないと否定したいのにできずに過ごしている。
しかも、相手が大くんだと気がつかれていたのだ。
勘の良い社員は私と大くんがリッチマンゴープリンのCMで一緒に仕事をしていたことと関連付けたり、COLORとの仕事の契約がダメになったことをその証拠だという人もいた。
社内にもCOLORのファンはいるようだし、社外に漏れるのも時間の問題かもしれない。
ランチを終えて部署に戻るとデスクにメモが置いてあった。
その内容を見て笑顔を消してしまう。『不潔女』と書かれていたのだ。
「美羽……大丈夫?」
千奈津が心配そうに覗きこんでくる。
笑顔を作れずに、固まってしまう。そこに杉野マネージャーが近づいてきた。手には手紙らしきものを持っている。
「総務に届いたんだと。総務のマネージャーが『これって噂になっている件じゃないの?』と言って渡してきたんだ」
中身を開いてみると物凄い誹謗中傷が書かれていた。
「お客様の問い合わせページなんて書き込みが今日で二十件だってよ」
もう、社外でも噂は広まっているのだ。
尾びれも背びれもつけた噂は、世間を飛び回っている。なんて恐ろしいことなの。
「初瀬……なんで黙ってんの?」
杉野マネージャーは責めているわけじゃなくて心配そうな表情をしている。千奈津もだ。
「あの。今日の夜、空いていますか?」
「ああ」
「千奈津も」
「うん」
「聞いてほしい話があります……」
もう千奈津と杉野マネージャーには、黙っておくことができない。
会社にまで迷惑をかけているのだから。仕事を終えた時伝えようと決意をした。