シリーズ全UP済。果物のように甘いだけじゃない
赤ちゃんについては授かり物だから確証はないけど、私は大くんの子供を産む気がする。
「はなは、いい子だよ。絶対に大丈夫だよ」
「最低三人は、ほしいな。美羽は一人っ子だろ。俺は兄貴がいたけど、兄弟っていいもんだぞ」
「うん。賑やかな家庭にしたいね」
結婚はゴールじゃないけれどここまで来れたことに幸せを感じていた。
「さっきも言ったけどさ。遠慮はするなよ。俺の仕事って特殊だから時間がバラバラだろ。だから体力がないとついていけない時もあると思う。眠くなったら寝ていいし、帰りだって待ってなくていいから」
「大くんの帰りはなるべく待っていたい。一日の終りに顔が見れないなんて寂しいじゃない」
「……美羽」
大くんは嬉しそうにぎゅっと抱きしめてくれた。
「それと仕事だけど、社会と繋がりがほしいなら習い事とかでも良くない?」
「そうだね。……でも、赤ちゃんが生まれるまでは働きたいかなぁ」
「うーん、そっか。わかった。でも、一人で勝手に決めないでちゃんと俺に相談すること。いい?」
「うん。……大くんもだよ。遠慮しないで言ってね。私ってズボラだから」
「わかった。嘘と隠し事は禁止ね」
「了解です」
大くんと触れ合いながら眠る幸せを噛み締める。好きな人の素肌ってどうしてこんなにも安心して気持ちいいのだろう。
素直になることと甘えることのバランスって難しいけど、遠慮しすぎても良くないと学んだ気がする。
気持ちを口に出して行かないと分かり合えない時もあるよね。
私が奥さんになったら、いつでも気持ちを聞いてあげられる人になりたいな。