シリーズ全UP済。果物のように甘いだけじゃない
仕事は、会計中心だけど雑用もする。
掃除をしたり、お茶を出したり。
色々やることがあって、三時までだから短いのもあるがあっという間に一日が終わる。
他の社員さんが戻ってきた。パソコンの打ち込みをしていると「お疲れ様」と声が聞こえた。
入ってきたのはCOLORメンバーの黒柳さん。
用事があるわけでもないのに入ってくる。
「お疲れ様です」
挨拶する社員さん。私も続いて挨拶をした。
黒柳さんは芽衣子さんの隣にある空いている椅子に気だるそうに座った。この事務所に働き出してわかったのは、黒柳さんはマイペースだということ。
椅子に腰掛けてそこで眠ってしまう。その寝顔ときたら子猫みたいで可愛らしい。
「黒柳さん、そんなところで寝たら風邪ひいちゃいますよ」
芽衣子さんがピシャリと言うと「うーん」と空返事をした。ため息をついた芽衣子さんはロッカーから自分のショールを出してかけてあげる。
芽衣子さんって優しいな。なんだか、その様子を見て心が温かくなった。
十五分ほど眠ると黒柳さんはむくっと起き上がる。いつものパターンだ。
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