シリーズ全UP済。果物のように甘いだけじゃない

「あれ、美羽ちゃん?」
「あ、赤坂さん……」
芸能人オーラが漂っている赤坂さん。サングラスを外して私を見つめる。
「こんな時間に一人で何やってんの?」
「……とくに」
「大樹は?」
何も答えずにいると赤坂さんはくすっと笑った。
「喧嘩?」
「私のワガママなんですけど」
「マジ? 話聞いてやるか。とりあえず、夜に一人でふらついてると危ないから乗って」
「はい」
普通男の人の車には乗らないけれど、赤坂さんはCOLORのメンバーで信じられるからと乗せてもらうことにした。
「で、大樹には外出してくるって伝えてあんの?」
首を横に振る。
「マジ? すっげぇ心配するぞ」
「どうでしょうか」
車をしばらく走らせると赤坂さんが提案してくる。
「話聞いてやるけど、車の中だと雑誌に撮られるかもしれないから俺の家来るか?」
「えっ?」
くすっと肩を震わせて笑っている。
「悪いけど親友の女を襲うような悪趣味なことはしねぇーから」
その言葉を信じて赤坂さんの家にお邪魔させてもらった。
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