シリーズ全UP済。果物のように甘いだけじゃない
芽衣子side

こんなにも真剣な表情の明人を初めて見たかもしれない。
――俺は、芽衣子を好きになってから一度も気持ちが変わったことがなかった。
美羽さんが教えてくれた果物言葉を思い出す。
――変わらぬ愛情・優しい心ですって。これ、結構当たるんですよ!
もしかしたら、私が明人の愛を知ろうとしなかったのかもしれない。明人は、私なんかをずっとまえから本気で愛してくれていたのかもしれない。
「明人……」
言葉が続かなくて込み上げてくる。
私は、明人が好き。
何を考えているのか、わからないこともあるけど、すごく優しくて繊細な人なのだ。
涙がポロッと零れ落ちてくる。
「明人、結婚しよう」
「芽衣子……」
明人は私の手をすっと取って、左手の薬指に指輪をはめてくれた。ピッタリサイズでダイヤモンドがキラキラと輝いている。
私と明人は微笑み合うとキスをした。抱きしめ合ってお互いの体温を確かめ合う。
一番しっくりくる。
色んな試練があるかもしれないけど、私のパートナーは明人しかいない。
「入籍は大樹が先だから来年になるかもしれないけど、堂々と交際宣言したいと思う」
「わかった。ありがとう」
おでこをくっつけ合う。
そのまま二人でベッドルームに向かった。
明人に組み敷かれる。
久しぶりでドキドキしてしまう。
まだ病み上がりだけど、いいよね。
目をそっと閉じると唇が重なり合う。お互いの柔らかい唇の感触を確かめ合い舌を絡ませる。
体がだんだん熱くなってきた。もっといっぱい、触ってほしいと思っていたら、動きを止めた明人。
「……病み上がりだもんね。もう少し我慢する」
名残惜しそうに頭を撫でて起き上がった明人。
「芽衣子のこと大事だし」
はにかんで言われると、可愛すぎるんですけど!
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