シリーズ全UP済。果物のように甘いだけじゃない

その後、明人が買ってきてくれた料理を二人で堪能した。
明人は泊まると言ってくつろいでいる。
「あ、合鍵返してね」
まるで自分のもののような言い方に笑えてきた。これからも一生、マイペースな彼と過ごしていくのだと思ったら胸が熱くなる。
ベッドルームの引き出しにしまっておいた合鍵を持ってきて明人に渡した。
「はい」
「ありがとう。俺、めちゃくちゃ凹んだよ。もう、離れないでね」
手を掴んで見つめてくる。私は深く頷いた。
「早めに一緒に住みたいな……。芽衣子のご両親にも挨拶しないとね」
「明人の家族にもね」
明人の隣に座って方を寄せ合う。
「俺の家族は芽衣子のこと、大歓迎だよ。絶対に」
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