シリーズ全UP済。果物のように甘いだけじゃない
仕事は定時に終わり、退社準備をする。
「デートか?」
杉野マネージャーが話しかけてきた。
「まさか。大学時代の友人と食事するんです」
「そっか。あまり飲み過ぎるんじゃないぞ」
優しい視線を注いでくれたから、素直に「はい」と返事をした。その様子を見ていた千奈津はクスッと笑っている。絶対に変な想像をしていそうだ。
弁解したかったけど、時間が迫っているのでそのまま退社した。
玲と待ち合わせして居酒屋に入る。
久しぶりに二人でゆっくりと食事ができて嬉しい。話題は恋愛のことになり、杉野マネージャーの話を玲にする。
「オフィスラブじゃん。それいいんじゃん?」
ビールをゴクッと飲んだ。
「美羽、もう二十八歳なのよ。もうすぐ二十九歳。過去のことは忘れて新たな人生を歩もうよ」
「お母さんみたい、玲」
「なにそれ」
ククって笑った。
大胆で引っ張ってくれる玲の性格が大好きだ。玲といればどんどん真っ直ぐ進める気がする。
「でも、マネージャーに付き合ってとか好きとか言われたわけじゃないし」
「まずはプライベートで会うことが大事なんじゃない?」
「うーん。あまりそういう気分じゃないかな」
「まずは、紫藤大樹に会ってからにしたいのね。今週の土日で会うのよね?」
コクリと頷く。
会うというか。
生で見ても平気だという証拠がほしい。
もしも、新しい誰かを愛する日が来た時に、大くんと比べてしまうなんてことはしたくない。
「デートか?」
杉野マネージャーが話しかけてきた。
「まさか。大学時代の友人と食事するんです」
「そっか。あまり飲み過ぎるんじゃないぞ」
優しい視線を注いでくれたから、素直に「はい」と返事をした。その様子を見ていた千奈津はクスッと笑っている。絶対に変な想像をしていそうだ。
弁解したかったけど、時間が迫っているのでそのまま退社した。
玲と待ち合わせして居酒屋に入る。
久しぶりに二人でゆっくりと食事ができて嬉しい。話題は恋愛のことになり、杉野マネージャーの話を玲にする。
「オフィスラブじゃん。それいいんじゃん?」
ビールをゴクッと飲んだ。
「美羽、もう二十八歳なのよ。もうすぐ二十九歳。過去のことは忘れて新たな人生を歩もうよ」
「お母さんみたい、玲」
「なにそれ」
ククって笑った。
大胆で引っ張ってくれる玲の性格が大好きだ。玲といればどんどん真っ直ぐ進める気がする。
「でも、マネージャーに付き合ってとか好きとか言われたわけじゃないし」
「まずはプライベートで会うことが大事なんじゃない?」
「うーん。あまりそういう気分じゃないかな」
「まずは、紫藤大樹に会ってからにしたいのね。今週の土日で会うのよね?」
コクリと頷く。
会うというか。
生で見ても平気だという証拠がほしい。
もしも、新しい誰かを愛する日が来た時に、大くんと比べてしまうなんてことはしたくない。