シリーズ全UP済。果物のように甘いだけじゃない

飛行機は、東京に無事到着しタクシーに乗り込んだ。これから、バラエティー番組の収録がある。
「疲れてない?」
「いつものことだし」
質問してきた池村マネージャーに素っ気なく答えると、自分の胸ポケットからしおりを出した。
「それ、本当に拾ったの?」
じっとしおりを見つめている俺に話しかけてくる。
「ああ、そうだよ」
余計なことは、言わないほうがいい。
俺と美羽の過去を知ったら、池村マネージャーはすぐに会社に報告するだろう。面倒なことが起きる前に、美羽となんとか話をしたい。
< 85 / 291 >

この作品をシェア

pagetop