先日、芸能界を引退した推しが殺し屋になっていました
これはヲタクとしての最大限の配慮であり、推しの命を守る最大限の務め……!!!

よし!抹消抹消……っ!

それにしても…っ、尊い時間だった……。

てへへ、てへへ。

微笑みながらとりあえずここから1番近くの駅に向かおうとした。

でも…

あ、終点…。

きっとこんな時間じゃもう電車動いてない…ですよねぇぇ。

「……」

冷たい風が頬を撫でる。

はっ!私今何考えた!?

まさか推しの自宅で1晩お世話になりたいなぁ……なんて、思った!?

はぁああああああああ……!!

いけません!そんなの!

そんなのヲタクの美に反します……!

私ったらなんてふしだらな妄想を……!

とりま(とりあえず、まぁ)、今日の所はこの辺で野宿を……っ

ーートントン

「お嬢ちゃん。1人?」

その時。後ろから肩を叩かれ、振り向くと見知らぬ男の人が私を見下ろすように立っていた。

「もちろんです! いつまでも推しに頼る訳にはいきませんから……!!」

そうよ!? 私は1人でお家まで帰る!! 帰るんだ!

「は? 推し? まぁいいや。ちょっとそこの店、寄ってかない?」

「店……?」
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