先日、芸能界を引退した推しが殺し屋になっていました

*15分後*

「ぐすんっ、……ぐすんっ…」

「もう……遅刻決定だぞ…」

「私のことっ、絶対尻軽女だって思ってましたよね!?」

15分経っても私はまだ若干不貞腐れていた。

「はいはい。思ってないですよ」

「ぐすんっ、ぐすん……っ、私は…っ、抱かれる妄想なんてキセキ様でしかやったことありません……っ」

「それはありがとう。でもつぼみちゃん。それあんま胸張って言うことじゃねぇからな?」

あっ、名前呼んでくれたっ。嬉しいっ。

「……機嫌直せよ」

トントン、と背中を優しく叩かれ、宥められる。

「……」

そう、だよね…。

推しにここまで迷惑かけるなんて…

言語道断……っ。

「はい……っ、じゃあ、、ごめんなさいしてくださいっ」

「あーもう、ごめんなさいてば」

ん?

「これでいい?」

ん……??

直後。

心のど真ん中に軽い痛みが走った。

「うっ…!!」

やばい!刺さった…!心になんか刺さった…!!!

これあれだ…っ。

ーーあーもう、ごめんなさいてば

これだーーーっ!!

‪”‬ごめんなさいてば‪”‬ って何…!?

一体何…!?
< 48 / 59 >

この作品をシェア

pagetop