先日、芸能界を引退した推しが殺し屋になっていました
***

はぁぁ…。

キセキ様っ…。

とても素敵なひと時でございました…。

キセキ様と涙涙のお別れをし、私はただいま曇り空の下、校庭にポツリ。

「リレー出場選手は入場の準備をして下さい」

アナウンスがかかり、私は入場門に向かった。

今日は体育祭。

保護者も沢山見に来ていた。

先生も頭にハチマキを巻いて気合いが入っている様子。

でもふいに、耳に笑い声が入ってきた。

「ぷっ、つぼみの奴いるよ」

「あはは、恥かくだけなのにねぇ」

声のする方を見てみると、同じクラスの女子数人がクスクス笑いながら私の方を見ていた。

私はこれから、リレーのアンカーとしてこの校庭を1週走らなければならない。

「はぁ……」

考えただけで足が鉛のように重くなった。

マラソン大会万年ベリの私は押し付けられるようにみんながやりたくないリレーのアンカーを押し付けられてしまった。

クラスで浮いてる私に押し付けるのはちょうどよかったんだと思う。

「つぼみって超トロいよね。明日から学校休むんじゃね?」

「マジ草ー」
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