先日、芸能界を引退した推しが殺し屋になっていました
あっという間にゴールはすぐそこ。

飛んで(推し)に入る夏の(ヲタク)!!

ゴールした直後。

私は吸い寄せられるみたいにキセキ様の胸の中に飛び込んだ。

「はぁっ…、はぁ…、キセキさま……っ」

あぁっ、私ったら距離感をわきまえなければならないのに……!!

キセキ様は、息を切らす私の頬にそっと手を伸ばし、転んだ時に付いてしまった土を優しく拭ってくれた。

「よく頑張ったなっ」

そう言ってニコッ、と微笑むキセキ様。

きゃー!エッグ!

エグ山エグ太郎じゃん!私!!

こりゃ、とうとうエッグベネディクトの末裔(まつえい)、現れるぞ…!?

※【エグ山エグ太郎】
▶︎とにかくエグい事。

※【エッグベネディクトの末裔】
▶︎ ‪”‬エグい‪”‬が限界値を上回ってしまうと夜な夜な枕元に現れる妖怪のような何か。

もう……っ、私の推し……っ、控えめに言って世界1じゃない?

「ところでキセキ様…」

”‬どうしてここ(学校)に……っ?‪”‬

そう尋ねようとした時だった。

視界がグラン、ってなって、瞼を閉じた​───────…
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