真名子さんの名(字)活
すんごいの来た、もうキタコレ状態。なんで私が本気の名活してる時にこんなボーナスステージ降臨しちゃった?
ロマンチックに言うならば、神様からのプレゼント?
今時の同窓会のお知らせに、ハガキじゃなくてメールって所が凄いの。何年も放置している私のFa●ebookにメッセージが届いてたの。ホルモンなんて昔m●xiでずっと畑耕すゲームしてた。もう見渡す限り、私の周りm●xiのユーザー一人も居ないのにせっせと耕してた。
……それ、絶対しなきゃいけないもの?って、畑耕すホルモンに心配で声かけたことあるもん。あれ?なんか、畑に取り憑かれてない?って。
むしろリアルに土いじりしたら?って案を出したけど
「ミミズとかさ、見た目も動きも想定外な生き物だから無理」
って、キリっとした顔でぜんっぜんマウスから手を離さない。
なんなら掘った土から現れるたまに凄い気が狂ったビヨンビヨンとする動きに、なんであんなノリノリになるの?とか言ってたけど、ミミズの動きをノリノリで表現するホルモンの例えの方が訳わからん。
m●xiもミミズも置いといて、
「メール見た?」
「見た。中学校の同窓会かぁ。面倒だなぁ」
いつもの仕事帰り、というか夜勤明けの帰りに安心安定のホルモン宅。もとい、ホルモンの精肉店に顔を出す。
「これ、幹事誰だっけ?あー、むーちゃんかぁ。何かこういうイベント仕切るの好きそう」
ホルモンが頭に白い帽子とマスク、赤いエプロンをしながらカウンターで私と話す。ホルモンの祖父が私を見つけると、フラフラの歩行で味付けカルビを黙って置いていく。爺ちゃん、いつもすまない。
「いや、ホルモン!面倒くさがってる場合じゃねぇぞ!!同窓会だってもしかしたら私の未来の旦那が待ち構えているかもしれないじゃないの!!そうだ!きっとそうだ!」
「真名子、夜勤明けのハイ止めて。お爺ちゃん真名子の声にビックリして、心臓止まっちゃうから」
「そもそも!!ホルモンだって高校の時の同窓会でテルと再会して、盛り上がってラブホでちょめちょめしてからお付き合いからの結婚だもんね!ここに良い例がおりますがなぁ!」
「真名子、それ親の前で暴露するのって私は何の辱しめを受けているの?てかマジで夜勤明けのテンションうぜーな」
一瞬、ホルモンの父さんがこちらを見て娘の真のなれそめを聞いて、小さい頃のホルモンを思い出しては気まずそうな顔をしているのは見えていたが、そこは仕方ないよ父さん。
「パパだいちゅき!」と、言ってた娘は、気付けば年金を払う年齢になってきてるのだ、そりゃあラブホの一つや二つ行きますがな!だってそこにラブホがあるから!
「と、いうわけで真名子参加送信っと。ホルモンも参加ね!絶対ね!頼むね!!早く送信しといてね!爺さんカルビありがとね!!」
「……あいつ絶対コストコ走るな」
夜勤明けハイのあるある。
寝てないから変なアドレナリン出て日中はいつもの二倍元気。