【短編】天然お嬢様は焦らされてる事に気づかない。
それは高校入学直後のことだった。
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私が春から通い始めた青蘭学園は、国内で一番のセレブ学校と言われ、有名な企業や財閥の子息・令嬢、または難関試験を合格した生徒しか通えない。
そして、学園の中で一番身分が上の子息・令嬢はトップと呼ばれる。
一般学校でいう生徒会長みたいなもので、学園を取り仕切るのだ。
私は国内No.1の企業の娘。もちろん私より身分が上の生徒はいない。そのため、私は入学早々、慣れていない場で急に大勢の生徒の上に立たされたのだ。
また、この学園は各企業・グループが我が子を使って取引先を作る社交界の場でもある。
西園寺グループの娘、つまり私は格好の餌食となった。
学園の生徒を取り仕切らないといけない重責。関わりを持とうと話しかけてくる子息令嬢たちへの対応。
また、どこにいても感じる妬みや羨望の視線。