友達以上恋人未満の片想い
まあ悪くはない日だったし、また遊んでもいいか。と腕を組みながら考える。
「あ、そうだ。ずっと聞こうと思ってたんだけどさ、二人はお互いのどこが好きで付き合ってるの?」
ふと思い出したように五十嵐が振り返って聞いてきて、俺たち二人は軽く固まる。
俺はまだしも、実里はほぼ同情や押し切られて付き合ったようなものだから、そんなもの言えるはずがない。
俺のことはただの幼なじみとしかまだ思っていないこともわかっている。
「…なんでそんなの五十嵐に言わないといけないんだよ」
「別にいいじゃん、減るものじゃないんだし。付き合ってるんだから好きなとこ一つくらい言えるでしょ?」
五十嵐は何も知らないから本当にただ疑問に思って聞いているだけなんだろうけど、それが今はムカついて言い返そうとすると、実里が「私は」と口を開いた。
「私は、遼の優しいところが好きだよ。長くずっと一緒にいるからちょっとした変化とかにすぐ気づいてくれて、いつも私を一番に考えてくれる優しい遼が好きで付き合ったから」
にこっと笑いかけてきた実里にどう反応していいかわからず、思わず視線を逸らす。
タイミングよくバスがやってきて、その話はそこでおわりになった。
二人掛け席に俺と実里、五十嵐と星野で座ってバスが発車した。
「…さっきの、ちゃんと本心だからね」
「え?」
窓の外を眺めていた実里が俺を上目遣いで見上げてきて、少し恥ずかしそうに笑った。
「あ、そうだ。ずっと聞こうと思ってたんだけどさ、二人はお互いのどこが好きで付き合ってるの?」
ふと思い出したように五十嵐が振り返って聞いてきて、俺たち二人は軽く固まる。
俺はまだしも、実里はほぼ同情や押し切られて付き合ったようなものだから、そんなもの言えるはずがない。
俺のことはただの幼なじみとしかまだ思っていないこともわかっている。
「…なんでそんなの五十嵐に言わないといけないんだよ」
「別にいいじゃん、減るものじゃないんだし。付き合ってるんだから好きなとこ一つくらい言えるでしょ?」
五十嵐は何も知らないから本当にただ疑問に思って聞いているだけなんだろうけど、それが今はムカついて言い返そうとすると、実里が「私は」と口を開いた。
「私は、遼の優しいところが好きだよ。長くずっと一緒にいるからちょっとした変化とかにすぐ気づいてくれて、いつも私を一番に考えてくれる優しい遼が好きで付き合ったから」
にこっと笑いかけてきた実里にどう反応していいかわからず、思わず視線を逸らす。
タイミングよくバスがやってきて、その話はそこでおわりになった。
二人掛け席に俺と実里、五十嵐と星野で座ってバスが発車した。
「…さっきの、ちゃんと本心だからね」
「え?」
窓の外を眺めていた実里が俺を上目遣いで見上げてきて、少し恥ずかしそうに笑った。