友達以上恋人未満の片想い
「え?あ、そ、そうなんだ」
「実里ー。先生が呼んでるよー」
クラスメイトに呼ばれた実里がホッとした顔をして、「ちょっと行ってくるね」と残して走っていった。
「…んだよ、あからさまに動揺しやがって」
四人で出掛けた日から、実里と二人で遊びに行ったり家に行ったりもしているけど、特に恋人らしいことは何一つしていない。
幼なじみだったあの頃と何も変わっていなかった。
「あれ、おかしいな…」
自販機に飲み物を買いに行くと、すでに先客がいて財布の中身をひっくり返していた。
「…あれ、君、実里ちゃんの…」
怪訝な顔で近づくと、江戸川先輩が驚いた顔で俺を見上げてきた。
「あ、ねえお願いがあるんだけど…」
*
…なぜ俺が世界で一番嫌いなこの男と、二人で並んで座っているんだろう。
「いやー助かったよ。今金欠すぎてあと二十円が足りなくてさ。でもどうしてもこの新作飲みたかったから」
「二十円足りないってどんだけ金欠…」
二十円を貸してほしいと頼まれ、渋々貸しを作ったはいいものの、行こうとするとなぜか引き止められて今に至る。
「実里ー。先生が呼んでるよー」
クラスメイトに呼ばれた実里がホッとした顔をして、「ちょっと行ってくるね」と残して走っていった。
「…んだよ、あからさまに動揺しやがって」
四人で出掛けた日から、実里と二人で遊びに行ったり家に行ったりもしているけど、特に恋人らしいことは何一つしていない。
幼なじみだったあの頃と何も変わっていなかった。
「あれ、おかしいな…」
自販機に飲み物を買いに行くと、すでに先客がいて財布の中身をひっくり返していた。
「…あれ、君、実里ちゃんの…」
怪訝な顔で近づくと、江戸川先輩が驚いた顔で俺を見上げてきた。
「あ、ねえお願いがあるんだけど…」
*
…なぜ俺が世界で一番嫌いなこの男と、二人で並んで座っているんだろう。
「いやー助かったよ。今金欠すぎてあと二十円が足りなくてさ。でもどうしてもこの新作飲みたかったから」
「二十円足りないってどんだけ金欠…」
二十円を貸してほしいと頼まれ、渋々貸しを作ったはいいものの、行こうとするとなぜか引き止められて今に至る。