友達以上恋人未満の片想い
しかも江戸川先輩は見るからにまずそうな“チョコレートスルメイカ”なんて変な飲み物を美味しそうに飲んでいて、見ているこっちが吐きそうになる。



「次、俺と君のチームが当たるね」


「…ああ、そうみたいっすね」



短く返事をすると、先輩は苦笑しながらジュースを一口飲んだ。



「君と実里ちゃんも幼なじみなんだよね?」


「…はい」


「実里ちゃんがよく俺の教室に来てた時に、毎日のように君のこと話してたよ。遼が私のデザート横取りしてきた、遼が百点取った、とかなんでも教えてくれてね」


「…へぇ」



実里のやつ、余計なことをこいつに教えすぎだろ…。



「その時から君のことが好きだったのかもね」



爽やかに微笑みながら遠くを見つめている先輩に、コーラに口をつけようとしていた手が止まった。



「…あいつは、前はおまえのこと好きだったんだよ。おまえもそれ知ってんだろ?」


「…前は、でしょ」


「なんであいつじゃなくて幼なじみを選んだ?」



今にも突っかかりたい気持ちを必死に抑えながら、隣で静かに微笑んでいる先輩を睨みつける。
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