友達以上恋人未満の片想い
「ディフェンス軽く決めとこーぜ。相手のバスケ部は俺たちに任せろ!」



バスケ部の近藤(こんどう)が中心となって士気を上げていた。



「…俺、江戸川先輩行く」


「お、本当か?江戸川先輩部活入ってないくせにうまいから困ってたんだよ。芦屋なら安心だな!」


「やっと芦屋が本気を見せるか」


「よっしゃあ、1Cゆうしょーう!えいえいおー!」



試合が始まった。


ジャンプボールを勝ち取ったのはうちのチームで、先攻から始まった。



バスケ部三人組が華麗なパスワークで、開始五秒で点を入れる。



「よっしゃあ!」



あちこちから歓声が湧き、試合は進んでいく。


あっという間に前半戦が終了し、12:10と若干こっちがリードをしている。



始まった後半戦の十分間はお互い一歩も譲らず、ノーゴールのまま体力だけが削られていく。


相手のバスケ部がディフェンスを抜いてスリーポイントを決め、試合が動き出した。


さすが一個上でどんどん差をつけられていく。だがうちのバスケ部も負けていない。



バスケ部じゃないけど外からのシュートが格別上手い佐野(さの)が近藤からパスをもらい、綺麗なスリーポイントを決めた。


12:20だった点数が、佐野の入れたスリーポイントとバスケ部の財間(ざいま)が入れたスリーポイントで18まで追い詰めた。
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