友達以上恋人未満の片想い
試合時間は残り三十秒。
あとスリーポイントを一回入れればこちらの勝利だし、守り抜かれたら負けてしまう。
「芦屋!そっち行ったぞ!」
ボールを持った二年のバスケ部が、ノーマークだった江戸川先輩に向かってパスを出した。
咄嗟に伸ばした右手がボールに触れて、そのまま引き寄せることに成功する。
「そのまま突っ込め芦屋ー!」
近藤の叫び声に押されるようにしてドリブルをしていき、スリーポイントの構えをする。
俺とゴールの間には運良く人がいなくて、視界がクリアだった。
そのまま放ったボールは真っ直ぐゴールに飛んでいき…。
「…っ!?」
どこから飛び出してきたのか、素早く前に回った江戸川先輩がゴールに入る直前でボールをはたき落とした。
そこで試合終了のブザーが鳴った。
*
「…はあ」
誰もいない保健室のベッドで寝転がりながら、シミのついた天井を見上げる。
俺のせいで負けてしまったようなものなのに、チームメイトはみんな「おしかったな」と笑って励ましてくれた。
挨拶が終わり、心配そうな顔でこちらに寄ってこようとした実里から逃げるようにして体育館を飛び出す。
あとスリーポイントを一回入れればこちらの勝利だし、守り抜かれたら負けてしまう。
「芦屋!そっち行ったぞ!」
ボールを持った二年のバスケ部が、ノーマークだった江戸川先輩に向かってパスを出した。
咄嗟に伸ばした右手がボールに触れて、そのまま引き寄せることに成功する。
「そのまま突っ込め芦屋ー!」
近藤の叫び声に押されるようにしてドリブルをしていき、スリーポイントの構えをする。
俺とゴールの間には運良く人がいなくて、視界がクリアだった。
そのまま放ったボールは真っ直ぐゴールに飛んでいき…。
「…っ!?」
どこから飛び出してきたのか、素早く前に回った江戸川先輩がゴールに入る直前でボールをはたき落とした。
そこで試合終了のブザーが鳴った。
*
「…はあ」
誰もいない保健室のベッドで寝転がりながら、シミのついた天井を見上げる。
俺のせいで負けてしまったようなものなのに、チームメイトはみんな「おしかったな」と笑って励ましてくれた。
挨拶が終わり、心配そうな顔でこちらに寄ってこようとした実里から逃げるようにして体育館を飛び出す。