友達以上恋人未満の片想い
行く当てがなく、先生が不在だったけど保健室のベッドに寝転がり、額から落ちてくる汗もそのままに天井を見上げていた。
「…あ、やっぱり。ここにいた」
目を閉じて眠りの体勢に入ろうとしたところで、上から実里が覗き込んできた。
「うわ、汗だくじゃん。ちゃんと拭かないと風邪引いちゃうよ?」
実里が持っていたタオルで額の汗を拭ってくれた。
その拍子にタオルの柔軟剤が鼻をかすめ、実里の優しい匂いに気持ちが落ち着く。
「…負けちゃった」
「え?…そうだね、おしかった」
「結構本気で頑張ったのに…。実里に勝つって言ったのに…」
がばっと起き上がり、情けない顔を隠すために実里に背を向ける。
「負けちゃったけどさ…さっきの遼、誰よりもかっこよかったよ」
「…え?」
恐る恐る振り向くと、実里は小さな子をあやす母親のような優しい眼差しで俺を見つめていた。
「遼が一番かっこよかった」
実里の言葉は不思議だ。
さっきまでどん底にいた俺の気持ちをたった一言で引き上げてしまうから。
「…あ、やっぱり。ここにいた」
目を閉じて眠りの体勢に入ろうとしたところで、上から実里が覗き込んできた。
「うわ、汗だくじゃん。ちゃんと拭かないと風邪引いちゃうよ?」
実里が持っていたタオルで額の汗を拭ってくれた。
その拍子にタオルの柔軟剤が鼻をかすめ、実里の優しい匂いに気持ちが落ち着く。
「…負けちゃった」
「え?…そうだね、おしかった」
「結構本気で頑張ったのに…。実里に勝つって言ったのに…」
がばっと起き上がり、情けない顔を隠すために実里に背を向ける。
「負けちゃったけどさ…さっきの遼、誰よりもかっこよかったよ」
「…え?」
恐る恐る振り向くと、実里は小さな子をあやす母親のような優しい眼差しで俺を見つめていた。
「遼が一番かっこよかった」
実里の言葉は不思議だ。
さっきまでどん底にいた俺の気持ちをたった一言で引き上げてしまうから。