友達以上恋人未満の片想い
グラウンドでは安堂が汗を光らせて走っているところだった。
あの日の小春ちゃんは安堂の一挙一動にコロコロ表情を動かしていた。
安堂を想って優しく笑った顔が今でもずっと忘れられなくて、一目惚れで、初めて人を好きになった。
「五十嵐くんに安堂くんへの気持ちがバレたのも、放課後の教室だったよね」
「あ、覚えてる?」
「覚えてるよ。本当に焦ったもん。でも五十嵐くんとはそれがきっかけでここまで仲良くなれたから、今思えばバレたのが五十嵐くんでよかったのかも」
この教室で、俺は君に恋をした。
「…ねえ小春ちゃん。デートしない?」
「へ?デート…?」
書きかけの日誌と小春ちゃんの鞄と手を掴み、「行こ」と教室を飛び出す。
「ちょっと、五十嵐くん!?どこに行くの!」
戸惑う小春ちゃんを引っ張りながら電車を乗り継いで、ある小さなお店に着いた。
「ここって…カフェ?」
“珈琲屋物語”とでかい看板が掲げられたお店に、小春ちゃんが不思議そうに首を傾げていた。
だけどその顔は、中に入ると一瞬で驚きと好奇心の表情に変わった。
お店を埋め尽くすほど並んでいる本棚に隣にいた小春ちゃんが「わぁ…」と感嘆の声を漏らしていた。
あの日の小春ちゃんは安堂の一挙一動にコロコロ表情を動かしていた。
安堂を想って優しく笑った顔が今でもずっと忘れられなくて、一目惚れで、初めて人を好きになった。
「五十嵐くんに安堂くんへの気持ちがバレたのも、放課後の教室だったよね」
「あ、覚えてる?」
「覚えてるよ。本当に焦ったもん。でも五十嵐くんとはそれがきっかけでここまで仲良くなれたから、今思えばバレたのが五十嵐くんでよかったのかも」
この教室で、俺は君に恋をした。
「…ねえ小春ちゃん。デートしない?」
「へ?デート…?」
書きかけの日誌と小春ちゃんの鞄と手を掴み、「行こ」と教室を飛び出す。
「ちょっと、五十嵐くん!?どこに行くの!」
戸惑う小春ちゃんを引っ張りながら電車を乗り継いで、ある小さなお店に着いた。
「ここって…カフェ?」
“珈琲屋物語”とでかい看板が掲げられたお店に、小春ちゃんが不思議そうに首を傾げていた。
だけどその顔は、中に入ると一瞬で驚きと好奇心の表情に変わった。
お店を埋め尽くすほど並んでいる本棚に隣にいた小春ちゃんが「わぁ…」と感嘆の声を漏らしていた。