友達以上恋人未満の片想い
「…最近星野とうまくいってるんじゃないのか?」


「んー全然。てか俺、小春ちゃんの恋を応援するって決めたんだよ。この気持ちは伝えないって」


「ふーん。じゃあ何を今更後悔してるんだよ」


「いや違うんだよ、後悔はしてないの。んーいや後悔してんのかなあ。とにかく、明日小春ちゃんは安堂に告白しちゃうんだよ。付き合うんだよ!」


「…そんなのまだわからないだろ。安堂は星野のことが好きなのか?」



身を乗り出す俺の顔を嫌そうに押しながら、芦屋が窓側の席で岩崎さんと喋っている小春ちゃんをちらりと見た。



「んーまだわかんないけど、前に小春ちゃんを真っ先に助けに行ってたし、よく話すっていうくらいなんだから好きなんじゃない?てかあんな女神好きにならないやついんの?あここにいんのか」



付き合ってられない、といった感じで芦屋が深くため息をつき、また頬杖をついて目を閉じてしまった。



「うわ、寝んなよ俺の話聞いて!芦屋はいいよな、可愛い彼女からチョコもらえんの確定なんだから!」



ぴくっと反応した芦屋が、なんとも言えない微妙な苦い顔をしていた。



「…え、なに?別れたの?」


「別れてない」



即答され、なんだよと安心する。



「はー片想いって楽しくないのな。相手の幸せ願ってるだけって虚しくなってくる」


「…ああ、そうだな」
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