ロゼリア
プロローグ
他国との境にある辺境の地、マーレル。
帝国の公爵位にあるデュネール家が管理する領地の中でこの町は特に田舎で、お店も少ない事から若者達は帝都に憧れてこの町を出て行く。
しかし、若者達は帝都へ行って気がつく事だろう。
自然豊かなこの町の魅力に。
「お嬢様。失礼致します」
ノックの後に部屋の中へ入って来たのは、専属侍女のメイだった。
冬はもう通り過ぎたと思っていたのに、まだ少し冷たい風が私の頬を撫でる。
少し肌寒くなって私は窓を閉めると、メイの方へ視線を戻した。
「お嬢様へお手紙が届いております」
メイはそう言うと、一通の手紙を渡してきた。
「今回は随分と早いのね」
薔薇の封蝋を見て、私は誰から届いたのか直ぐに察した。
そもそも、田舎の領地に手紙を送ってくる人は限られている。
帝都で暮らすお父様かお兄様方のどちらかだけど、今回はお父様からのようだ。
手紙に目を通すと、そこに綴られてあった内容に私は思わずため息をついた。
帝国の公爵位にあるデュネール家が管理する領地の中でこの町は特に田舎で、お店も少ない事から若者達は帝都に憧れてこの町を出て行く。
しかし、若者達は帝都へ行って気がつく事だろう。
自然豊かなこの町の魅力に。
「お嬢様。失礼致します」
ノックの後に部屋の中へ入って来たのは、専属侍女のメイだった。
冬はもう通り過ぎたと思っていたのに、まだ少し冷たい風が私の頬を撫でる。
少し肌寒くなって私は窓を閉めると、メイの方へ視線を戻した。
「お嬢様へお手紙が届いております」
メイはそう言うと、一通の手紙を渡してきた。
「今回は随分と早いのね」
薔薇の封蝋を見て、私は誰から届いたのか直ぐに察した。
そもそも、田舎の領地に手紙を送ってくる人は限られている。
帝都で暮らすお父様かお兄様方のどちらかだけど、今回はお父様からのようだ。
手紙に目を通すと、そこに綴られてあった内容に私は思わずため息をついた。
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