ロゼリア
一通り頭に入れたところで時間になった私は、一人学園へ向かう事にした。
校内は学生以外の立ち入りが禁止となっている為、新入生と思われる生徒たちがメイドを付けずに歩いていた。
誰も私がデュネール公爵家のロゼリアだとは気づいていないようで、気にする素振りも無く、私の横を通り過ぎていく。
まるで空気に溶け込んだかのような、そんな不思議な感覚。
「本当に周りを気にしなくていいのね」
もしかすると、これなら友達が出来るのかもしれない。
公爵家の身分に惹かれず近寄ってくれる、本当の友達が。
(大体、お茶会に参加しただけで勝手に友達面してくるのよね。人脈が増えるのは嬉しいけど、そうゆう人達って自分の利益で動くから本当の友達って言えないのよね)
学園に到着すると、門の前には何台もの馬車が長い列を作っていた。
馬車の家紋、大きさ。そして装飾からして、その家の財力と家柄が伺える。
列の横を通り過ぎ、中に入ろうとしたその時。
見知った家紋の馬車に私は思わず足を止めた。
(あの白百合の家紋は…)
「ライト侯爵家のミューラ様よ!」
誰かが発したその言葉に、周りの生徒達の視線が一斉に馬車へ集まる。
「皇太子妃候補のミューラ様!?是非、お近付きにならないと!」
「ミューラ様!おはようございます!!」
彼女のお茶会にはいつも白百合が飾られてあった。
ミューラ侯爵家の家紋であり、純潔を意味する白百合。
小さい頃と変わらず屈託のない笑顔を浮かべる彼女は、やはり裏で何かを企むような人物にはとても見えない。
(お兄様は気を付けるようにと言ってたけど、警戒し過ぎだと思うのよね)
特に貴族はプライドが高く、自己保身に走る人が多い。
はっきりとしない部分もあったけど、毒事件の後に公爵邸まで正式に謝罪とお見舞いに来た彼女は誠実な方だと私は思っている。
(まぁ、来たと言っても後で周りから聞いた話だけど)
校内は学生以外の立ち入りが禁止となっている為、新入生と思われる生徒たちがメイドを付けずに歩いていた。
誰も私がデュネール公爵家のロゼリアだとは気づいていないようで、気にする素振りも無く、私の横を通り過ぎていく。
まるで空気に溶け込んだかのような、そんな不思議な感覚。
「本当に周りを気にしなくていいのね」
もしかすると、これなら友達が出来るのかもしれない。
公爵家の身分に惹かれず近寄ってくれる、本当の友達が。
(大体、お茶会に参加しただけで勝手に友達面してくるのよね。人脈が増えるのは嬉しいけど、そうゆう人達って自分の利益で動くから本当の友達って言えないのよね)
学園に到着すると、門の前には何台もの馬車が長い列を作っていた。
馬車の家紋、大きさ。そして装飾からして、その家の財力と家柄が伺える。
列の横を通り過ぎ、中に入ろうとしたその時。
見知った家紋の馬車に私は思わず足を止めた。
(あの白百合の家紋は…)
「ライト侯爵家のミューラ様よ!」
誰かが発したその言葉に、周りの生徒達の視線が一斉に馬車へ集まる。
「皇太子妃候補のミューラ様!?是非、お近付きにならないと!」
「ミューラ様!おはようございます!!」
彼女のお茶会にはいつも白百合が飾られてあった。
ミューラ侯爵家の家紋であり、純潔を意味する白百合。
小さい頃と変わらず屈託のない笑顔を浮かべる彼女は、やはり裏で何かを企むような人物にはとても見えない。
(お兄様は気を付けるようにと言ってたけど、警戒し過ぎだと思うのよね)
特に貴族はプライドが高く、自己保身に走る人が多い。
はっきりとしない部分もあったけど、毒事件の後に公爵邸まで正式に謝罪とお見舞いに来た彼女は誠実な方だと私は思っている。
(まぁ、来たと言っても後で周りから聞いた話だけど)