ロゼリア
校舎の中へ入ると掲示板の前は、クラス分けを見ようとする人達で混み合っていた。

(えっと、私の名前は……あった!)

掲示板には左からA組、B組、C組と張り紙がされており、私の名前はC組にあった。

(リア・パリス…。お父様はちゃんと偽名にしてくれたようね)

ちなみにミューラ様とルーカス様はA組で、例のステラ様は私と同じクラスだった。

会った事がないステラ様なら私の存在に気づく事もないだろう。

そう思いながらC組の教室がある西棟へ向かおうとしたその時。

「貴女のせいでドレスが駄目になったじゃない!」

私のすぐ近くで女性の怒鳴り声が聞こえてきた。

いきなりの出来事に辺りは騒然とし、視線はその女性へと集まる。

どうやら後ろの方で問題が起きたらしい。

「申し訳ありません…!前から押されて…それでバランスを崩してしまって…」
「そんなのわたくしの知った事ではないわ!あぁ…その汚い足で踏まれたせいでもうこのドレスは着れないわ!」

女子生徒を罵っているのは、ピンク色の髪に派手なドレスを身に纏ったどこかの貴族令嬢。

ドレスの裾を踏まれた事に怒っているようだ。

(それよりも…学園指定の制服はどうしたのかしら?)

この学園では皆が同じ制服を着用する決まりとなっている。

それは例え上級貴族であっても同じ事。
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