クールな御曹司は強気な彼女を逃さない〜続編〜
「純平。本当に立ち会うの?」
「もちろんだ。」
やる気満々だな。
病院のベッドで、子宮口が開くまで待ってると、いつの間に純平から連絡を受けたのか、夜中だというのに続々と家族が集まる。
ちょっと。嘘でしょ?
「キャー!麗ちゃん!」
ママだ。
急いで来たのだろう。すっぴんだ。
すっぴんでも綺麗。
ますます純平が、ママ似だと思った。
「ママ。パパも。きてくれたの?」
「当たり前でしょ!!ほら!純平!!
ボーッと座ってないで、お尻押さえなさい!」
ママ。流石だ。
さっきから、踏ん張りたくて仕方がなかった。
そう言って、ママは、何に使うのかわからなかったボールを純平に持たせる。
「これで、お尻おすのよ!」
純平は言われた通り、押してくれる。
本当だ。痛みが少し逃げる。
「純平!もっと強く!」
「ああ。任せろ」
純平の力が強くて良かった。
「麗ちゃん!もう少しの辛抱よ!
分娩台に乗ったらあっという間だから!
頑張って!」
流石、あんな大男を2人産んだ母親なだけあって、心強い。
「麗!」
塁もきた。
「塁もきたの!?」
「悪いかよ。」
悪くない。
なんだかんだ、塁は面倒見が良い。
仕事中も、何かと気遣ってくれた。
「ありがと」
素直に言う。
「ああ。麗。頑張れ」