クールな御曹司は強気な彼女を逃さない〜続編〜
ガン!!と頭を殴られた。
そうだ。俺は何に遠慮してたんだ。
らしくもない。
麗も東京に引っ越してきたばかり。
それですぐ俺の家に引越し、
レジデンスも完成したら引っ越し。
あまりに短期間での引っ越し続きに、麗が大変な思いをするかと思って、先延ばしにしていた。
何を差し置いたって、それを一番優先させるべきだった。
クソっ。
自分の、段取りの悪さに頭にくる。
俺だって、早く麗と暮らしたい。
レジデンスの完成なんて、こうなったら待ってられない。
「悪い。麗」
「やっぱり嫌なのね」
麗は、そう言って俺の胸からスッと逃げ出そうとした。