手の届かない、桜の木の下の君へ



そうくんは、外の世界のことをたくさん教えてくれた

学校のことや家族のこと、たくさんの人がいる都会のこと

私が知らない世界

だけどいつかは出ていかなければいけない世界


そうやって私の世界が広がっていくのを

みどり先生は寂しそうな、だけど嬉しそうな顔をして

見てくれている

何を考えているのかはよく分からないけど

楽しそうに話を聞いてくれるのは変わっていない。



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