手の届かない、桜の木の下の君へ



部屋に帰るとみどり先生が中にいた



「あ、なんか久しぶりに先生みた」

「ちょっと忙しくてねー、なんかあった?」

「なんで?」

「なんかちょっと悩んでる顔してるから
 外泊楽しみー!って顔じゃない」

「なーんにも隠し事できない」

「しようとしないー笑」

「真剣に悩んでるんだから笑わないでよ?
 3日もそうくんと話せないの寂しいなーって思ってただけ」

「あー、なるほどね
 全然いいんだよ、やめにしても」

「んー」

「でもごめんだけど
 次いつってすぐには保証できない」

「いくよ?やりたいこといっぱいあるし」

「楽しみにしてたもんね」

「そ、ちょっと寂しいだけ」

「ことりがそうやって何かに執着してくれるの嬉しい」

「えー?」

「何かが大事、とか手放したくない、とかそういうの。大事だから」

「ふふ、なんかちょっと恥ずかしいんだけど」

「明日に備えて今日は早く寝な、」

「うん、おやすみ先生」

「おやすみ」

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