手の届かない、桜の木の下の君へ

そのあとも近くの店をふらふらしていると暗くなってきたので

先生にとってもらった民宿のようなホテルに向かう

優しそうな女将さんが出迎えてくれて、お部屋に案内してもらった


ベッドに座りふーっと一息つくと

案外疲れていたことに気がついた


病院の中にもテレビとか携帯がないわけじゃないけど

やっぱり、情報があふれる社会は外の世界って感じがする

私はずっと囲いの中で守られてきたけど

いつかはそとに飛び出すときがくると思うと時々無性に怖くなることがある

普通、から離れた生活をしてきた私は

みんながいる世界を一人で生きられるのかな、って



そんなことを考えていると女将さんに呼ばれて、夕食を食べる

暖かいお風呂にはいって、ふかふかの布団に入ると気づいたときには意識がなかった
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