手の届かない、桜の木の下の君へ
結局そうくんは現れなくて
また一つ大きな疑問を抱えて、部屋にもどる
するとそこにはみどり先生がいた
「ねぇ、先生」
「どうした?」
「・・・わたし、そうくんとどこかで会ったことある?」
「・・」
先生は黙ったまま、白衣のポケットから小さな鍵を出した
どうしたのかと戸惑っていると
先生は鍵がかかっていて、
ずっと開けていなかったベッド横の引き出しの前にしゃがんで、鍵穴に鍵を差し込んだ
「せんせ、?」
「そうのこと、ちゃんとむきあいたいと思ったら、ここ開けてみて」
あとはことりがどうしたいか、といってみどり先生が出ていってしまう
ふぅ、とひとつ呼吸をして鍵を回した
そっと引くと、一枚の写真が入っている
「っつ、」