手の届かない、桜の木の下の君へ
「そうくん!」
そうくんは中庭の大きな桜の前にいた
「ことりちゃん、どうしたの?ほら深呼吸して」
「ん、全部、全部思い出した」
そう言うと初めてあったときと同じように大きく目を開いた。
「そうのことも、ひなのことも、全部全部思い出した」
「そっか、そっか。思い出したんだね」
それだけをいい、そうはひとつ頷いたかと思うと私の視界は真っ暗になった
「そう、?」
「よかった、ほんとによかった。」
私の涙も、そうの涙も少し落ち着いた頃そうは詳しくその頃のことを話してくれた。