手の届かない、桜の木の下の君へ
ことりとそう、そしてひなは小さいときから同じ部屋で入院していた。
3人とも心臓が悪くて、なかなか周りの子たちと同じようには遊べなくて
気づけば3人だけでいる時間が増え、とても仲がよかったんだ。
病室を出られないから、普段はもっぱらお絵かきとかカードゲームをしていたけれど
ある日、珍しく3人共絶好調な日があって外出許可が出た
嬉しくなって、大きくなってまた3人で会うためのタイムカプセルをつくって、中庭に埋めた
でもその翌日、ひなの様態が急変してそのまま死んじゃったんだ。
ひなとことりは同じ病気だったから、ことりはパニックになって意識を失った
そして、2日後に目を覚ましたときには忘れてたんだ。そうとひなのことを
本当にそうとひなに関係することを何も覚えていなくて
改めてひなの死に直面させるのは当時10歳だったことりには負担が大きすぎるっていうことで
先生たちはそのまま伝えずに、会わせない選択をとった。
その間にそうは退院して、今に至る