手の届かない、桜の木の下の君へ
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私がさっき思い出した記憶と同じで、本当に忘れていたんだと実感する
だけど、1つだけひっかかることがあって
「ねぇ、そう、あのさ・・」
「ん?なぁに?」
「あのとき、ひなが死んじゃったとき。そうは長くても
・・1年だって言われていたよね」
「そっか・・ほんとに全部思い出したんだね」
そう言って微笑んだそうは桜の木の根本に座り込んだ
私の方を振り向き、おいでというので近くに寄る
「ここに、タイムカプセル埋めたでしょ。開けよう?」
「う、うん、わかった」