夕暮れリリィ
違うって意味を込めて小さく首を横にふる。


ハルトは困ったように眉をハの字に曲げた。



「…なんかさ、今日のねーちゃん見てるといつもと違うし学校でなんかあったんかなって思うけど、今日のねーちゃんはいつものねーちゃんじゃないみたい」



…え。


顔をあげる。



「いつもならあとさき考えずに突っ走って失敗して、それでもなんかわかんないけど満足そうに笑ってる」



…そう、だっけ。



「それがいつものねーちゃん。でも今日のねーちゃんはうじうじ考えて、不安そうな顔して、ぜんっぜん行動しない。そんなねーちゃんおれはしらない」




「…っ」




「つまりさ、学校でどんなことがあって、何で悩んでるかも知らないけど、無いような頭必死に使うんじゃなくて、いつもどおりさっさと行動に移せば?って言ってんの」




いつもの、あたし……。
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