夕暮れリリィ
「先生、その子は花瓶をわっていません」



その時だった。



あたしは本物の王子様に出会ったんだ。



白馬に乗ってないし、マントも着けてない。


それでも、あたしを救ってくれたその姿は、王子様そのものだった。




野次馬の中からあらわれたのは、アスマだったのだ。



「なぜ分かる?」



あたしが犯人だと確信している先生は舐めたような目つきでアスマに聞いた。


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